雑KiN3-改

ここは自分にとっての過去ログです。すなわち、他人にとっては単なるゴミ。

今日は落ち着いていた。定時前に間借りしている事務所であちらさんの上司のかたがいらしたと言うので早めに上がって宴会になったようだ。こちらは定時まで事務所で待機して、出てゆくのを待っていたかたに挨拶して辞去。あの後、急いで事務所を閉めたことだろう。そうして荻窪へ急いだ。途中慌てて立ち食いして腹を騙して向かったのだな。それと言うのも今日は日本フィルの杉並公会堂シリーズで首席客演指揮者のピエタリ・インキネンがコンマスの扇谷さんとJSバッハの「2つのヴァイオリンのための協奏曲」でヴァイオリンの腕を披露するのだ。杉並公会堂は立て替えてから入ったことが無いのでそういう意味でも興味がある演奏会だ。今日の演目はまずはシベリウス組曲「歴史的情景」第2番、それからこのバッハで休息後にチャイコフスキー交響曲第5番となる。シベリウスの第2番は先週の定期での第1番に続いてのもの。曲自体は予習していないから良く知らない。演奏が開始すると音の反射や回り込みがここしばらく慣れきってしまったサントリーの脇で聴いているのと違うので当然のことながら面喰う。正面からオケに正対して聴くのがやはり作曲家の意図した音響なのだろうから、普段もこういう風に聴けるのが良いだろうなとは思う。しかし、指揮者の表情は、顔の表情にしろ、腕の表情にしろまずは見えないのでそういう意味での面白みがない。また、オケも動きが見えないのでそこがつまらない。ふむ、席は正面として、各席にディスプレイがあれば良いのだな。各人が自分の好きなアングルで眺められるように出来れば、と、これは費用的にあり得ない願望になるのだが。ええと話を戻して、音の回り込みがまた席が前過ぎたことからオケが後ろから聴こえてくるように感じてしまう。もう少し後ろの席でも良かったな。何せ席の空きが目立ったから。常連らしき定年後と思しきご夫婦の会話を聞いてみても今回は人が少ないらしい。そんなに特殊な曲をやっているわけではないのだが、これでさえ、一般的な聴衆には難しい曲と受け取られたようなのだ。多分、シベリウスだったら「フィンランディア」、チャイコフスキーだったらバレエ音楽あたりという所謂名曲を選曲しておくくらいのレベルだと言うことだな。それはともかく。シベリウスは曲よりもホールの音響特性に慣れる方に気が行ってしまって、もともとよく知らない曲だと言うこともあるのだが、まずまずだなと言う感想を持ったに過ぎなかった。そうして本命。これはそこそこメジャーな曲。まずはインキネンの腕前に興味が行く。ふむ、左手はともかく右手だな。ボウイングにキャリアの空きを感じてしまう。ヴァイオリンの名教師ザハール・ブロン門下でコンクールでも入賞していてソリストとしても活動していたと言うのにしては安定感が無い。逆にあのボウイングで弾けてしまうのは凄いと言うべきか。それに気を取られてしまったためか演奏は2の次になってしまった。目をつぶって聴いていたら良かったかもしれない。チャイコフスキーは箱の大きさを超越した音量だったように思う。飽和していた。サントリーとかならあれくらい吠えるべきだろうが杉並公会堂はそんなに大きなホールでは無いから。最後にはアンコールがあってシベリウスの「アンダンテ・フェスティーヴォ」。これは良かった。手持ちのCDにあるはず。聞いた記憶が有るから。でも。それほどの感動は無かったのだが今日、生ものを聴くと感動したのだった。帰りは東京駅まで出てから帰宅。実家までなら20分もしないでくつろげる状態になったのだが。