雑KiN3-改

ここは自分にとっての過去ログです。すなわち、他人にとっては単なるゴミ。

 3時半頃に目覚める。歯を磨いたりしているうちに4時。寝ていた他の人達も目覚める。着替えて外に出るとまだ薄暗い。茅葺屋根の厚さを写真に撮ろうとしたが難しかった。昨日、到着した時に撮っておけば良かったのだが。平瀬温泉からは県道白山公園線を車で30分ほど走り大白川ダムのところの登山口のパーキングに止める。早朝だからか水分を買おうとしても無かったという。これから登る登山道の平瀬道には石川側の主たる登山道のような水場は1つも無い。ここで空いたペットボトルに水を入れて行くしかない。私は昨日分にも書いたと思うが4kgの水分を担いでいるので補給の必要無し。1kg分を人に譲ったくらいだ。ところで帰ってきてから気がついたのだが、このパーキングの付近に大白川温泉という表示が有るな。どこだったのだろう。入りたかった。


 6時前に登山口で記念写真を撮る。撮ったのは私ではなく、そのうちファイルがDVDに焼いて送られてくるはず。ネットにあげてもらえれば楽なんだが。撮らなかったのは携帯の電波が来て居ないから電源を落としてあったのだ。バッテリが急激に上がってしまう事を嫌った。登山口の標高は1260mということで雰囲気は箱根辺りを歩いているのと変わり無い。傾斜がやや急かな。その分ぐいぐいと高度を稼いで行く。1時間弱たったところで朝食。宿でおにぎりを作っておいてもらったのだな。予め頼んでおいたのだという。このあたりで Xperia を起動して GPS をみて見た。ううむ、GPS の電波は取れて正しい位置を示したが地図データは携帯網経由だった。駄目だ。表示できない。登山用には専用のものでないとなぁ。再び歩き出して1500mを超える辺りになると白樺が混ざり出して雰囲気が高い山になってくる。湿気も減った感じ。それと靄の中に入りつつあって陽がささなくなってきた。たまに薄日が差す程度。白山に登ると父親に言ったら40年ほど前に同じコースを登っていたそうで、その時はひたすら後ろ側から太陽にあぶられて暑かったと言う。今日はそういうことはほぼ無く助かる。


 2038mの大倉山を過ぎると大倉山避難小屋がある。10時を少し回ったくらい。標準で2時間半のコースに4時間弱かけている。追いつかれるたびに退避と叫んでパーティを退避させていたからな。そのうちパーティもばらけてきて私はスカウトとして先発していた。小屋で靴を脱いで10分ほどすると後ろが追いついてきたので入れ替わりに出発する。さらに登ると2250mに大カンクラ雪渓の標識がある。ちょうど標識に向かって道が直線でその先に靄がかかったり晴れたりしていた。もやが流れて向こう側の山に雪が残っているなと思いながら歩いていたら標識があったわけだ。ここまでくれば白山室堂との標高差は200m程度。もう少し登るとカミソリ尾根があったりしてよろけたら一巻の終わりという恐さを感じながら渡る。登山道の脇に雪が残っていて、やや広い空き地になっているところが合ったので、荷物を下ろして休憩ついでに食材をいくつか消費する。靄が流れて山が見え隠れするのが面白い。陽は一切無し。どちらかと言うと寒いくらいになってきた。一枚追加でパーカーを着込む。


 後方が追いついてくるのを待っていたのだが20分以上経っても来ない。靄に雨が混ざり始めたので先に行く事にする。雨と言っても雨具が必要な程ではない。パーカーのフードをかぶれば済む程度。この山は直線で登りが続く事が多い様だ。天国へ続く階段という感じ。どこまで登るのだと思わせる。途中で右に左にくねってくれれば気も変わるのだが。もやは一層濃くなって行く。県境を越えて岐阜から石川に入ってしばらくで標識が有った。アルプス展望台への分岐の室堂側だったような。そのそばにこんな高層なのに水が流れている。二歩で渡れる程度の幅だが。こんな大量の水がどこにあるんだろう。たまに流れるのはありだろうが、常時水が流れるだけの水源があるとも思えない。


 靄が激しくなり5mくらい先も判らなくなる。足元を見ていれば間違えないが、それでも先が判らないと正しいかどうか不安。周りに人も見えないし。何回か耳を済ませて方向を推し量る。多分、人の声からして正しく歩いているんだろう。そのうち靄のなかから建物らしき影がぬっと現れた。室堂の施設なんだろうがどうにも人の気配が少ない。夏場はごった返していると言う話だったが、ここには廃屋になりつつあるかと思わせる静寂感がある。人が2、3人歩いているから間違いではないだろうが。とにかく建屋ぞいに歩いてみる。するとあちらこちらで人が食事していたりするところに出た。ビジターセンターと表示にはある。ガイドなどで室堂センターと呼ばれているのがこれ。ビジターセンターは登山口の市ノ瀬ビジターセンターのはず。室堂には白山比竎神社の祈祷殿があるはずだが靄に隠され何処だか判らない。ビジターセンターの中に入ると郵便の窓口やらなにやら色々とあり人も多数。場所的に間違いは無いな。先ほどの登山道のところを戻り後発が追いつくのを待つ。座って待っていたら何度か眠りかけた。また、寒い。30分以上経ったが来ない。体温が下がると拙いのでビジターセンターの中で待つ事にする。宿泊の受付もそこでするから見ていれば判るだろう。受付は途切れる事無く人が居る。平瀬道は人が少なかったが登山者の8割は石川側からだと言う。これくらい混んでいても不思議は無い。


 待っている間に白山比竎神社の祈祷殿が正面にあったのに気がついたので覗きに行く。ちゃんと賽銭も上げ二礼二拝一礼しておみくじも引いた。手ぬぐいも購入。またビジターセンターに戻って待つ。しかしなかなか来ない。14時半になりしびれを切らして受付に問合せようと列に並ぶ。と、その時、ようやく後発が到着した。すぐさま受付を済ませて部屋へ。宿泊棟は3つあって、トイレはまた別の棟にある。渡り廊下で行くと言うのはなかなか面倒だ。部屋の構造は真中に通路があり、その両側が上下二段になっていて各段に8人程度が寝る。詰めようとしたらもっと入るだろうな。夕方の食事時までやる事が無いので横になったら、うとうととしてしまった。朝が早かったしな。他の人は無理矢理に集まれる場所を探して呑みに行ってしまったようだ。指定の時間に夕食に行く。20分単位の入替えだが終わった人から出て行くので回転は速い。うちの連中は、そこでビールを呑んで居座るつもりだったようだが、雰囲気からして、それは出来ないと判断したようだ。やっと大人になったのう。


 順番が来る前に天気予報や売店を見ていると、明日の御来光は期待できないようだ。ここ数日霧が続いているらしい。また、売店で手ぬぐいを売っていたので白山比竎神社のと同じかどうか尋ねたら違うというので、ここでも購入。食事の番が回ってきたので入る。自分で取って空いている席に座る。手早く済ませ外へ。お茶を売っていたので尋ねると100円と言う。安すぎると思ったらペットボトルのでは無くて、そこで煮出した物らしい。コップが要る。ペットのは割高だったが1本購入しておいた。


 それで外に出て見ると、綺麗に晴れあがっている。夕日が美しい。反対側へ出て見るとこれまた御前峰が上までくっきり。少し登って見る事にした。100mほど上の青石というところまで登って写真を撮ろうと Xperia を起動するとアンテナが3本立った。ビジターセンターでは立たなかったのだが。そこで twitter に写真を投稿。ここからはあと750mだという。懐中電灯を持っていれば登ったが流石に危険。後1時間弱で日没なので頂上は断念した。室堂に戻るとうちの連中が建屋の外でたむろしていた。もうすぐ日没と言うので見に行く。御来光ならぬ御没光だとか言っている。そういう言葉は無いような。沈む太陽といえばエルガー交響曲第二番のあだ名だったなと思う。雲が二層になっていて一旦光が薄れたが層間で光量が増した。その後下層の雲に入り減光。更に見つづけると形が円形から欠けて行く。やがて完全に見えなくなる。百人近くが眺めていたが一斉に引き上げる。部屋に戻って横になる。消灯は20時半。それまでの短時間に尋ねてくる人が居たりする。部屋の反対側の上の段に居たグループは登山に慣れているようで実に大人しい。話も山に関した内容をしていた。うちらはリーダーからして落ちつき無いからなぁ。山行きに関しては。まぁ、何時とは無しに寝てしまった。