雑KiN3-改

ここは自分にとっての過去ログです。すなわち、他人にとっては単なるゴミ。

 2時半過ぎに目が覚める。ほぼ真っ暗。部屋の外の通路は消光しないと言う話しだったが、両端だけがついているようだ。避難のためだろう。そのなかを手探りで着替える。寝る前に置き場所を決めて置いておいたから出来るのだな。風対策として昨日よりも更に一枚上下に着込んでいる。銀色に輝くトレーニング用のだ。雨具ほどではないがそこそこ雨も弾いてくれる。懐中電灯と Xperia とサブバッテリ、それに傘を持って外に出る。


 外は月明かりが眩しい。靄もなく晴れている。出て最初に気がついたのはカシオペア。それから北極星と北斗七星。南側は良く判らなかったが秋から冬の星座。オリオンなどはまだ出ていないと思うのだが、どうしてもオリオンもどきを見取ってしまう。出ていたのかな。月が明るいので懐中電灯無しでも問題無く登れる。星を見ながら。既に薄明にかかっているので東から星は薄れて行く。その移り変わりを楽しむ。時々、足元を照らしてくれようとする人がいるが星を見ている事と懐中電灯に火を入れていざと言うときは大丈夫である事を示す。登っていると祈祷殿で太鼓を鳴らしている音が聞こえてきた。日の出の一時間前で御来光が見られそうな日に鳴らすらしい。今日は予報に反して大丈夫そうだ。


 御前峰の頂上2702mに登ると白山奥宮がある。拝礼する。大半の人は目もくれなかった。白山講の人も居たが、その人達は更にあとから来たのだったか。たまに同じように拝例する人がいる。中に1人、祝詞を上げている人も居た。おととし、出雲大社に行った時も同じように祝詞をあげていた方が居らしたな。あれくらいできるとなぁ。傘を開いて影に隠れ、うちの連中があがってくるのを待つ。傘はウィンドシールドなのだ。南西から風が吹いていて登山道を見ているともろに受けてしまうのだな。そのうちやって来たから御来光が見える位置に移動する。登り始めが出遅れていたから良い場所が占められないのではないかと危惧していたが風の影響を受けなくて、なおかつ真ん前に御来光を見ることが出来る場所を占める事が出来た。Xperia にサブバッテリをつないで充電したりしていると神職さんが上がってきて話を始めた。白山の話し、白山から見える山の話し、御来光の後の万歳の仕方など色々な内容。万歳の仕方では横をまっすぐにというのは知らなかった人が多かったようだ。手のひらを前から見えるように上げるのは「お手上げ」であって「万歳」ではないということ。


 眼前は雲海。黄道光は良く判らなかったが段々と雲が黄色味を帯びて行く。あそこから上がるのだな。Xperia で何枚か写真を撮る。上がりきったら直射相手になるからフィルターが無い Xperia では撮れない。それ以前の上がり出してから多少見えた程度のを撮った。上がりきったら万歳三唱。6日ぶりに御来光を拝めたらしい。そのあと白山奥宮では神事が執り行われ、みんな群がっていたな。頂上の標識では記念撮影する人が列を為している。こちらも何枚か撮って貰った。そういえば、今回は他のグループから撮影を頼まれることが多かったなぁ。それから翠ヶ池などの山頂付近のお池めぐりをして室堂へ戻る。1人、めぐらないで室堂へ戻った方が居たので、その方に連絡をとるため、千蛇ヶ池から私は単独で室堂へ急いだ。部屋で横になっているところを起こして食堂へついたら、残りも同じ頃に到着した。朝食は7時半まで。8時には部屋を引き払わなければならない。食堂には梅干が山積みになっていて食わず嫌いなリーダーが顔をしかめていた。梅干やラッキョウが嫌いと言うのは何十年もネタにされているのだった。


 水場でペットボトルに1本。水を入れる。水は貴重だ。それなのに横では水を流しっぱなしにして手を洗っている兄ちゃんが居る。ちょっと付けてこすってというのを数回繰り返せば綺麗に落ちるのだが。知らないのだろうな。記念写真を撮ってから下山開始。昨日は靄の中で5m先も見えなかったのに今日はずっと先まで丸見え。日差しが気になるところだ。今回新調した帽子が役に立ってくれる。同じく新調したマフラータオルは昨日から汗をぬぐったり首筋を保護したりと大活躍。有効な投資だったな。投資と言えば次はステッキを新調しよう。無くてもまだ大丈夫だがあれば便利と言うのも間違いではない。カッパはその後でも大丈夫だ。多分。


 下山はまぁ楽。1人、俗に膝が笑うという状態になった方が居て、その方に合わせたからという理由もある。荷物を分担して持って降りたが、全部を分担したわけではない。加重があったほうがバランスが取りやすいのだという。登山口には半分が先に下りて残りを待った。そうして予定よりも2時間ほどかかったが14時には全員下山した。待っている間に脱いで上半身を水拭きする。Tシャツは水洗いして振り回して脱水。あっと言うまに乾いてしまう。そういう素材だからな。下も登山用のズボンは短パンに履き替える。流石にその下は脱ぐわけにも行かなかったのでそのままだが、抗菌防臭で汗を発散してしまう素材だから、臭くは無かったから良しとしよう。ただ、色が黒と言うのはやはりあちらこちらから不評だった。


 待っている間は温泉で一っ風呂浴びてこられたな。下山したときに、その周りで道の整備をしているおっさん達が美味い冷たい水が先の方にあると教えてくれたが温泉の場所を教えてくれたら、もっと有難かったことだ。温泉がある事を知ったのは、これを書いているつい先ほどだから仕方が無いが。


 ここでリーダーが五箇山に行って流刑小屋を見たいという。全員で行こうとしたが、膝が笑ってしまった人は早めに宿へ行って休みたいと言う事になった。私が車の間で乗り移ることになったが携帯が通じない場所なので国道156号に出るまで連絡が取れなかった。そこで停めて乗り移る。私は五箇山に行く方へ。リーダーは五箇山で駐車場代をケチって路肩に無理矢理停めて見に行く。まぁ交通も殆ど無い所だったから良いが相変わらず強引だ。それともっと立派な物を想像していたらしいが小屋なんだから。ううむ。


 五箇山からは国道304号で五箇山トンネルを経由。城端側へ抜けると一気に高度を落として行く。なかなか眺めが良い道だ。城端の市街地からは、しばらくJR城端線と並走したが列車はこなかった。県境を越えると金沢市。片町にある宿に17時頃に到着。各人部屋に入って汚れを落とし再度集合。ここで私が土産を買いに行くと言うと半分が買物に行く事に。残り半分はフロントで店を訊いてそこに行くという。片町の交差点までは一緒なので行くと店は直ぐ判った。そこで香林坊までちょっと足を延ばして買物。19時までだからちょっと慌しい。来る度に加賀麩を買っている。限定品も有ったりするのだな。麩にメープルシロップを染み込ませた物もあったので手を出してしまう。帰ってからしばらくは楽しめそうだ。そして合流し、21時まで飲み食いする。量的には町中だから少なくて不満な点も有ったが味はまぁまあ。他の人には全面的に好評だった。確かに東京なら同じ量で倍近くすることもあるだろうが他を知っている身としてはなぁ。その最中に明日の予定の話が出る。土産が不足していたので金沢駅の土産どころで追加購入したいと言う話を出して見る。Xperia で開店時間やら駐車場を調べられたのですんなりと話しが通った。有難い。店を出てコンビニで飲み物を買ってホテルに戻る。もう一度シャワーを浴びて就寝。22時頃だった。