雑KiN3-改

ここは自分にとっての過去ログです。すなわち、他人にとっては単なるゴミ。

 今日は日フィルの東京定期初日。指揮は尾高忠明。曲目はオネゲル交響詩「夏の牧歌」、ラヴェルの「マ・メール・ロワ」、そしてウォルトンの「ベルシャザールの饗宴」の三曲。バリトンソロは三原剛。合唱は晋友会合唱団。曲が始まって「夏の牧歌」はもっと良く聴いてみたいと思った。ベルティーニのCDがあったような。「マ・メール・ロワ」は今ひとつ自分の身に入っていない曲なので聴いているうちに時々意識が飛ぶ。そして休息を挟んで本日のメインである。晋友会合唱団がサントリーホールのP席にずらり並ぶとなかなかなもの。おまけにブラスのバンダが左右の客席の一番上に整列する。客席もこれだけで普段とは違うことを感じ取っていた。ラッパが鳴って合唱が入ると尾高さんの顔が普段とは丸で異なるのでびっくり。歌っている。それも極端なまでの顔を歪めている。歌詞をはっきりさせたいらしい。百面相が続いてゆく。変拍子な曲だし入も示さなければならないから汗だくというか獅子奮迅というか全身を使って意図を伝えようとしている。ううむ。合唱も気にしていたほどには悪魔の合唱にはなっていなかったのでほっとした。音程や発声は上手いのだが音色が暗いことが多いので気にしていたのだな。そういう点では文句はない。入りに躊躇が感じられることがあったのが気になる程度か。慣れない曲だからということがあるのだろう。これは無理もないことだ。イギリスの合唱団だったら少なくとも年に1回くらいは耳にする機会もあるだろうが、日本でこの前にこの曲をやったのは何年前になるんだろう。

 終演後、曲に酔ったと感じた。ほろ酔いだ。久しぶりに上手い合唱の音に身を浸らせることもできた。体がリラックスしているのが判る。これを醒まさずに帰宅することなど出来ようか。醒まさずに帰ったら大人しく眠ることなぞ出来まいよ。夜風にあたりながらサントリーホールから四谷まで浮いているような心持ちでのんびりと歩いていった。


 帰宅すると隣のにいちゃんが奇天烈な声をあげていた。ぶち壊しだった。