雑KiN3-改

ここは自分にとっての過去ログです。すなわち、他人にとっては単なるゴミ。

 4時過ぎに目覚める。良い調子だ。月曜日火曜日は5時過ぎには家を出なければならないからな。この調子で行けると有難い。今日は千葉まで川瀬巴水の生誕130年記念の回顧展を見に行く。7時半くらいまでは朝食取ったり積読本を読んだりしてから家を出る。自宅最寄りの駅で”休日お出かけパス”を購入。指定席券売機で現金購入とな。Suicaに書き込むかと思って試しにSuicaを入れてみたら吐き出された。久しぶりに紙の切符を持ち歩くことに。ちょっと面倒だと思ってしまう。その昔は当たり前のことだったのに。


 大船まで行って横須賀線に乗り換え。千葉まで1時間半ほどかかるから勉強用の本をじっくり読み込もうとグリーン車を奢る。しかし何か本の内容が頭に入ってこない。単に本を読むだけなら筋が追える。入力に対する反応も問題なく即座に行える。では、何故、この本の内容は頭に入ってこないんだろう。受け皿が頭にないとかレディネスができていないとかも頭にかすめたが、そういうことは思いつくのにな。いや、”思い出す”なのかも。その昔から基本的に本は”読む”ものだった。覚えるものじゃない。読んでいるとひとりでに頭の中に記憶されていた。ただ意識して記憶するものじゃなかったから覚えているということを自分が知らない。必要があれば思い浮かんでくる。でも、今回のように勉強用となると意識して頭の中から引きずり出せないとならない。それと無意識に記憶すると筋は覚えるけれど細かい項目は出ては来るけれど脈絡がない。だから前に人に即興でアヘン戦争自体の歴史の講釈をすることになったとき、異様に細かく30分以上話し続けることができたが、自分でもそんなことを知ってたんだと思ったりしたが、出てくる順がちょっとおかしくて思い出すたびに行きつ戻りつになってしまっていた。今回の本は勉強用と言うだけあって項目が沢山並んでいるが筋が無い。と言うか、骨格はあるがそれの1つ1つの項目を並べて説明しているだけで筋が見えにくい記述なのだな。ふむ、筋を記述すれば頭に入りやすくなるか。高木 貞治の『解析概論』(ASIN:9784000052092)のように講義口調で書くと頭にはいるのかも。ただ、あれだと筋を見失った途端に訳が分からなくなるのと、細かいところは別の本で補う必要がある。だがそれはどの本を使っても同じ面はあるからな。


 もう1つ。読みながら頭の中に骨組みを構築して整理して覚えてゆくという読み方が出来ていないというのもあるのだろう。幼いころからとにかく読んでいれば記憶できてしまったという体験があるのが拙かった。そう言うことをしたければ手を動かさないと駄目なのだな。作業をしないと整理できないし覚えて行けない。その作業とは本を読みながらメモを書いたり整理したりとかだ。だから決まった場所で腰を据えてじっくりと時間をかけないと頭に入らない。細かい項目があったりすると特にそうなる。なかなか難儀なタイプなのだ。その代り、強固に体に染みついてくれるのが有難いな。


 脱線した。ええとと言うことで本とボールペンとポストイットを散らかしながら千葉まで行った。途中で空いている車内なのにわざわ人の真後ろに座って座席を向い合せにしている家族連れが暴れる震動が伝わってくるのも集中を阻害している。本当は車外の風景に気を取られたりしたのだが。大きな川を渡るというのはそれだけで人目を引く。


 さて、千葉駅。改良中のようで迷いながらも駅の外へ。東口。頭上には千葉のモノレール。鋼板でおおわれたレールにぶら下がるタイプとしては昭和45年開通の大船と江の島をつなぐ湘南モノレールに続いて昭和63年に開通した2例目らしい。それが複々線になっているからなかなか壮観。それを見ながらスマホのマップを起動して美術館の場所を確認すると十数分くらいのようなので歩くことにする。すると同じ方向を目指している人がちらほらと見かける。10時開場だったと思うがもう少し早かったのかな。美術館は中央区役所と一体。1階は昭和2年に建てられた旧川崎銀行千葉支店の建物を丸ごと保存してある。美術館は7、8階。エレベータで8階まで上がる。すると獅子舞。登渡神社の登戸囃子連というのが披露していた。ぽち袋頂いた。見物の人が数十人。しばらく眺めていると暑い。ここの空調は外気に対して温度が高すぎる。25度くらいじゃないのかな。汗がじんわりと出てくる。少し脱いでカバンに押し込む。チケットを購入して早速鑑賞開始。と思ったら見えにくい。眼鏡を忘れていた。近くに寄って鑑賞できるから助かったが今年は眼鏡を常時携帯していた方が良いかな。結構人が来ていたから邪魔にならないように見るのは大変だったし。


 展示されていたのは版画だけではなく元になった写生や水彩も。並べて展示してくれているので違いが分かりやすくて有難い。物によっては版画よりも写生のほうが良いものがあるとか、水彩と並べてあるものは水彩が良いものと版画のほうが良いものがあるとか判ったのは収穫。それに感触。微妙な色合いとか。画集だけだとどうしてもそこが判らないから。実は巴水の版画は惹かれるものがあったものの、物によっては首を捻っていたのだな。それの理由が分かりかけたのも。風景はそれほどでもないが建築物とかのように直線が出るものはかっちりとするので版画が良い。ただこれも原則で風景でも水彩よりも版画のほうが良いものがあったから一概には言えない。そういう意味でも来て良かった。出点数は3百点弱と量も多く3時間弱かけてみて回った。この回顧展はお勧めできる。最後にミュージアムショップで巴水の絵葉書と図録を求める。大半の絵は手持ちの画集のどれかに収まっているのだが抜けもあるので。


 さて、大人しく都内まで戻っても良いが既に昼を回っているとは言えまだまだ時間はある。切符を見ると上総亀山と言う文字が見えた。木更津からの久留里線だ。しかし千葉駅で接続する電車に乗るには5分ほど気が付くのが遅かった。次善の策として東金線乗りつぶしを画策する。しかしこれもちょっとタイミングが悪い。暇つぶしを考えないと。ということで外房線茂原まで行って折り返してみることに。駅そばで腹ごしらえをして外房線のホームに上がると京浜東北根岸線から転用された209系の安房鴨川行きが8両編成で止まっていた。長いと思ったが近年は外房側まで通勤圏内だしな。東京(京葉線)駅からの直通も毎時1本あるし。走り出して房総半島の分水嶺を超えたと思ったのはトンネルを出た途端にそこそこの急勾配で外房側に降りて行ったから。その先には高層のマンションと田んぼが混ざった風景があった。大網駅で見ると東金線のホームと外房線のホームはちょっと離れている。ハの字型だ。ホームが並べられていない。千葉方面から直通して東金方面には行きやすいのだな。こちらは今はそのまま外房線で茂原まで。2面4線の高架駅だった。この先も行ってみたいものだったが今日はここまでだ。どこまで複線が続くか見てみたかったのだが。千葉行きも209系。大網で乗り換えたのも209系。房総は209系の天下だな。ただ、途中で京葉線から直通の233系と何回かすれ違っている。東金線は思ったほどは通勤者向けの住宅地と言う感じでもなかった。と言うか禁煙の車内でタバコを吸っている爺さんが居るってのは。印象が悪いな。煙さに逃げ出す。


 成東から先をどうするかは”しおさい”で東京駅に戻ることにしていた。成東から各停で佐倉、それから成田に戻って成田線で安孫子、そうして常磐線で都内というのも考えたのだが、ちょっと疲れてきた。成東の駅はとてもローカルな雰囲気。”しおさい”が止まるのも東金線に接続しているからだろう。指定席券を確保して来るのを待つ。車内は257系だから座席も良いものだったが途中から乗ってきた大学生くらいと思しきけばいねーちゃんたちの大群がひどかった。タバコ臭かったり化粧臭かったり。それまでそこそこ落ち着いて空いていた車内の環境が悪化したので当初の案のように各停乗り継ぎのほうが良かったかもと後悔する。降車するときには発生したゴミを座席の背中の網に押し込んで降りて行ったのには。身の回りでは居ないないタイプだからびっくりしたが渋谷あたりだと似たような服装のは多いな。


 さて、東京地下駅到着後。とりあえずで神保町へ行ってみる。まだ閉まっている店もあったりして本には収穫が無かったのだがSACDの方で引っかかってしまった。店を入った途端に陳列してあるボックスに目が行く。む、ESOTERICから出ると言われていたベームの”フィガロ”にアバドの”セビリヤの理髪師”、クライバーの”椿姫”にカラヤンの”ボエーム”のボックスだ。年末には見かけなかったし元旦の新宿でも見かけなかった。それがここに。うっかりと興味を持ってしまったことに店員2人に気が付かれてしまう。かわるがわるの攻勢をかけられた。残りはここにある数点だけですよ。近所の店では全滅です(新宿は即日完売か?)このシリーズは中古でもまず出てきません(それは本当なんだけれどな。ケンペのベートーベンは買えないときに出たので涙をのんだ。そのあと探しても見かけない。それどころか前に4千円弱で買った別の1枚は今では2万円前後でやり取りされている)。月曜日には無くなってますよ。。。値段が値段なので直ぐにはいとは言えない。一旦そこを離れたが十数分にわたってのたうち回った結果、落ちました。ええい年頭のご祝儀だ。しかし父親のことは言えないな、と言うか弟が恐ろしい。ううむ。当分はCD買うのを自粛しよう。


 帰宅も疲れているからグリーン車にしたかったが普通車に。駅前で食材を購入して帰宅。その後、夜になって駅前の本屋に年始の挨拶がてら足を運んでみたが開いていなかった。建物ごと閉まっているな。とすると月曜日まで開かないのかもしれない。明日の昼にでも行ってみるか。